6.福田正義一派――大量リンチ殺人の責任を他派になする


苦しい弁解をつづける

 吉野雅邦の自供で三月二十五日、さらに二人のリンチ死体が発掘されました。この二人は、「京浜安保共闘」が「赤軍派」と合同する以前の昨年八月に「脱落者」として "総括 "されたもの。十四人もの大量リンチ殺人の先鞭をつけたのは、根っからの毛沢東盲従集団「京浜安保共闘」でした。

 この「京浜安保」の上部組織は共産党を詐称する毛沢東盲従集団。ところがかれらにもっとも密接な影響をあたえてきた同じ毛沢東盲従の山口県を本拠にした福田正義一派は、いま必死になって「自分たちは『連合赤軍』とは関係ない」「『京浜安保』が『革命左派』を名乗り、『毛沢東思想万歳』のスローガンをかかげることを禁じることはできない」などと苦しい弁解をつづけてきました。しかも最近では「『連合赤軍』事件の結末は、『諸潮流』(福田一派以外の毛沢東盲従諸集団のこと)の必然的な帰結」「その最終的な破産を立証」(かれらの機関紙「人民の星」三月十八日付)といいだし、責任をいっさい他の盲従集団になすりつけようと躍起になっています。

 もともと、西沢隆二、大塚有章、安斎庫治らのひきいる一人一党的な盲従諸分派と福田一派とは、たがいにいがみあいながらも、毛沢東思想盲従、反日本共産党では同種同根です。

 福田一派が主人とあおぐ毛沢東一派自身が「日本共産党(左派)その他の革命的左派の同志の人びと」(中華人民共和国成立二十二周年祝賀宴会での中日備忘録貿易東京弁事処主席代表趙自瑞のあいさつ)と、福田一派とその他の盲従集団を同列に扱っているのです。福田一派だけは例外というわけにはいきません。

紅衛兵仕込みの武闘の数々

 「てめえら死の総括だ」「暴力革命に反対するのか」――さる十五日、東京で開かれた沖縄協定批准書交換抗議集会の会場で日本共産党への中傷ビラをまいていた福田一派は、その受取りを拒否した労働者や学生に、こう叫びながらなぐりかかり「連合赤軍」そこのけの暴力集団ぶりをさらけだしました。

 リンチ、武闘は福田一派のお家芸。「連合赤軍」一味と無関係どころか大ありです。「連合赤軍」一味のリンチ殺人は紅衛兵のさるまねでしたが、福田一派の武闘は本場の紅衛兵仕込みです。

 北京空港事件(一九六七年八月)のとき、中国人紅衛兵に指揮され日本共産党の北京駐在代表砂間一良(現幹部会委委員)、「赤旗」特派員紺野純一(現編集局次長)両氏にたいして一昼夜にわたる集団テロを加えたのは、ほかならぬ福田一派の弘中朗夫、福田槐二(福田正義の息子)、板倉澄子、日笠世志久らでした。弘中らは数千人の紅衛兵とともに両氏を「闘争大会場」につれだし、「革命は暴カだ」「このやろう」「ぶちころせ」と叫びながら、「ジェット機式」につかまれ無抵抗の両氏になぐる、ける、ふみつけるなど残虐なテロを一晩中つづけ、ともにひん死の重傷を負わせました。

 日本国内でも福田一派は日本共産党員や民青同盟員に集団テロを加え、東京・文京区の善隣学生会館にあった日中友好協会本部襲撃事件(一九六七年二月〜三月)では、トロツキスト「ML派」と手を結び、本部役員らに重傷を負わせています。

"後輩 "の大量殺人に仰天

 「人民戦争万能」論の直輸入でも、福田一派は「連合赤軍」一味の先輩格。

 「日本における人民戦争の具体的形態を、実践活動のなかで系統的に追求」(『革命戦士』4号)してきた福田一派が、 "武装闘争にめざめた実践者 "として目をつけたのがトロツキスト暴力集団。暴力学生の妄動を「人民に暴力についての関心をよびおこした」(同19号)ともちあげ、「かれら(トロツキスト暴力集団)が毛沢東思想で武装されるよう、力の限り援助することがわれわれの責任」(同)とさえいってきました。福田一派につながる「日中協会(正統)本部」(脱走派)の宮崎世民、三好一らは、東大安田講堂にたてこもった「全共闘」のトロツキスト暴力集団にたいして資金援助までしました。

 トロツキスト暴力集団(赤軍派)と毛沢東盲従集団(京浜安保共闘)の結合=「連合赤軍」の誕生は、こうした福田一派の活動の "成果 "ともいえるもの。それだけに、機関紙で「『連合赤軍』とは無関係」とあわてて弁解し意思統一をはかろうとしたものの、職場に散在する福田一派の盲従分子たちは動揺をかくしきれません。

一言も反論できず "完黙 "

 山口市の済生会病院の鳥本某は、あさま山荘での銃撃戦の段階では「あの人たちをあのような行動にかりたてるのは社会の仕組が悪いからだ。決して責めるべきではない」といっていました。ところが、その直後にゾロゾロ虐殺死体が出てきたのにビックリ仰天。以後ピタリと口をつぐみました。

 東京での福田一派の唯一の "拠点 "である日航羽田にしても似たようなもので、労働者から何を聞かれても "完黙 "の一手。一部のものが「春闘を政治ゼネストで闘おう」というビラをまくのが精いっぱいです。

 その政冶ゼネスト方針にしても、組合活動家に「政治ゼネストから武装蜂起によって国家権力を奪取する、というのは毛沢東流の武装闘争方針だ。この方針を実践に移したら『連合赤軍』と同じ道をたどることは必然じゃないか」といわれても一言も反論できないでいます。


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