3.2 追放

 反動政府「ガシャ」の暴虐きわまる支配のもとで、どれほど多くの農奴が殺されたことか! また、どれだけ多くの農奴が故郷から追放されたことか! 見よ! 他郷をさすらう人びとの悲惨な姿を。




折かんされて、息もたえだえの農奴。10本の指には竹釘がうちこまれ、
牛の背にさかさまにしばりつけられて追放される。母親を失った女の子は、
悲しみと空腹にたえ、父のあとについてとぼとぼと歩く。
幼い心には、すでに憎しみの種がふかく植えつけられている。


追放される農奴。
牢獄で生みおとした赤ん坊を背負う女農奴は、
重い足を引きずりながら、悲酸な身の上を思い、涙をうかべて
遥かかなたを眺める。「はてしなく長い暗黒の道よ、
いつになったら尽きるのか!」と。
追放される女農奴。



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