1.3 人をロバと交換する

 荘園の建物の前から、小さい農奴の叫び声が聞こえる。「放せ! 放せ! じいちゃん、早くきておくれ!」極悪非道の領主がその子をロバ1頭と交換しようというのだ。両目をくりぬかれた、血と汗をしぼりとられた老人は、孫の声を聞きつけるとあわてて駆けつけ、やせこけた両手をのばし、むごい領主の罪悪行為を怒りをこめて人びとにうったえる。





荘園の主は小さな農奴を1頭のロバと交換しようとたくらむ。
しばられて、救いを求める小さな農奴。


凶悪な荘園の主。
「畜生め! わしの目玉をくりぬき、血と汗をしぼりつくし、そのうえにわしの孫まで
うばい取ろうというのか?よーし、この恨みはかならず思い知らせてやるぞ!」


水桶をかつぐ女農奴は、こぶしを握りしめ、
憎しみをこめて人食い鬼をにらみつける。
義憤にもえる牛飼いの農奴は、肩の袋をなげすてて、
小さな農奴と老人を助けに駆けつける。



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