3.反動的な支配機構――「ガシャ」

 「ガシャ」、すなわち旧チベット地方政府は封建農奴主階級がその反動的な支配を維持するための道具であった。「ガシャ」は、農奴を専門に鎮圧する多くの反動的武装集団を養い、農奴にたいして血なまぐさい支配をおこなう「法典」をつくり、残酷な刑罰を加え、監獄を設けた。どれほど多くの農奴や牧畜民がかれらの屠刀によって無惨に殺害されたことか! どれほど多くの農奴や牧畜民が一家離散のうき目にあったことか! しかし、血なまぐさい弾圧も、けっしてかれらを屈服させることはできなかった。農奴制は「永久に不変である」と、農奴主がいかに叫びたてようと、それははかない願望にすぎなかった。

3.1 刑場の闘争

 不気味な風が吹きつけ、太陽も姿をかくしたあの日。ポタラ宮の石段のうえに、英雄的な女農奴が、胸をはって昂然と立っている。かの女は、農奴や牧畜民をひきいて領主の荘園を打ちこわし、農奴主階級の支配を震撼させたが、不幸にも逮捕されたのである。かの女は酷刑に直面して少しもおそれる色なく、野獣どもをことば鋭く責めたてる。怒りにもえる大衆は、四方八方から刑場へと押しよせる。怒とうのようなその勢いをなにものもはばむことはできない。




袈裟をかけた野獣、人殺しが性となった鬼どもは、女英雄の痛罵と
大衆の怒号にどぎもをぬかれて、身をふるわせ、なすところを知らない。
女英雄は、僧侶、貴族、ガシャの罪悪行為を
するどく責めたてる。


敵を糾弾する女英雄。
刑場にむかって突進する大衆。


刑場に駆けつける女農奴。
木のおりに鎖でしばりつけられた鍛冶屋は、人食い鬼の行為を
目撃して、むらむらと怒りが胸にこみあげる。


1つの手かせ、足かせでつながれた2人の農奴は、刑場のかたわらで仇敵をにらむ。
2人いっしょに手かせ・足かせをつけられた若い農奴。



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