教育事業の発展と改革


 教育が大いに普及したことは、新中国成立ごの二十五年間におさめた成果の一つである。中学校と小学校の学生数は解放前のいく倍にも増え、全国の学齢児童の就学率は、すでに、約九○パーセントに達している。一九七三年までに、新中国が養成した大学生は、解放前二十年間の大学卒業生総数の一二・三倍に相当する。一般の大学、中学、小学校のほかに、工場運営の労働者大学、中等専門学校、半労半学の学校があり、農村で必要な各方面の人材を訓練する学校もある。

 中国では文盲が総人口の八○パーセント以上を占めるという、解放前の立ちおくれた状態に終止符がうたれた。

 中国は、教育の普及にあたって、二本足であるく方法をとっている。国家で運営している学校のほかに、農村には、国から必要な補助をうけて、人民公社や生産大隊によって運営されている中、小学校も数多い。これらの学校では、授業方式も農村や牧畜区の特徴に応じて、児童の入学の便をはかっている。

 中国の教育は、学校だけに限っていない。労働者、農民、人民解放軍、国家機関の幹部、商店の従業員、町の住民などが仕事の余暇、または仕事の時間の一部を利用じて、短期訓練班、政治夜学校などの色々な形式の学習組織で、文化知識や革命理論について勉強している。社会全体が一つの大きな学校なのである。

 プロレタリア文化大革命のなかでくりひろげられた、勢いさかんな教育革命は、いまもひきつづきすすめられている。この革命の重要な任務は、毛主席の提起した「教育はプロレタリア階級の政治に奉仕しなければならず、生産労働どむすびつかなければならない」、「……教育を受けるものを、徳育、知育、体育のいずれの面でも成長させて、社会主義的自覚をもつ、教養をそなえた勤労者にそだてあげるこどである」という方針にもとづいて、ふるい教育制度を改革し、ふるい教学方針と方法を改革することである。

 プロレタリア文化大革命まえには、劉少斉一味が教育部門の指導権を一手に握り、毛主席のプロレタリア革命路線に対抗した。学校教育はほとんど、解放前のぷるいものを踏襲するか、または、ソ連のやり方をそのままにうつしとったもので、学校はブルジョア知識人の支配する天下になっていた。学校を卒業した学生は、労働者、農民から遊離し、実際から遊離し、労働から遊離していた。当時の学校教育のねらいは、あまたの精神的貴族をそだてあげ、教育を資本主義復活の道具にすることにあった。

 現在の教育革命の内容は、修業年限、教学方針、教学方法、教材、学生募集制度および教師の思想改造など、各方面にわたっている。まず第一に重視され、強化されたのは革命理論の学習である。教師と学生は、革命のために授業し、革命のために勉強し、誠心誠意人民に奉仕する思想をしっかりと身につける努力をしている。

 文化大革命まえまでは、小学校から大学卒業までに、あわせて十六、七年、時には二十年もかかった。学生たちは長いあいだ、いやおうなしに教室に閉じこめられて本を読み、無理に本を暗記させられた。かれらは、労働者がどのようにして仕事をし、農民がどのようにして畑を耕すかさえ知らなかった。かれらが、学校の門を出たとき、頭のなかに、公式や方程式がいっぱいつまってはいたものの、実際の問題を解決する力はなく、労働者、農民大衆の思想感情に欠け、社会主義革命と社会主義建設の要求に適応するには、はるかほど遠いものであった。いま試みている小学校五年、中学四〜五年、大学二〜三年という制度は、旧い修業年限を四〜五年も短縮した。修業年限は短くなったが、身につく実践の知識や理論の知識は、以前よりかえってふえている。

 教育革命によって、非実践的な課目や、重複したり役に立たない教材が簡素化されたぱかりでなく、さらに重要な点は、学生にたいする思想教育が強化され、本の知識が実際の生産と密接に結びつけられたことである。学校教育はもはや教室内に限られなくなった。都市と農村の中、小学校は、付近の工場、農村人民公社あるいは駐屯部隊と連係を保っている。条件のあるところでは、中、小学校が自分の小さい工場や農場をもち、労・農・兵を教師にまねいて、授業をうけている。大学では、教学、科学研究、生産労働の三結合という新体制が実施され、よその工場や農村人民公社と固定した連係をとっているほか、学校自体も工場や農場を運営している。社会を工場とする文科系の大学では、学生が工場、農村、商店におもむいて社会調査をおこない、社会に学ぴ、労・農・兵に学ぴ、階級闘争、生産闘争、科学実験という三大革命運動に参加して、文科の戦闘的役割を発揮している。

 こうしたやり方のすぐれたところは、学生によって、社会に有用な物が生産され、国家のために物質的富がつくりだされるからだけではない。それにもまして重要な点は、学生が労働者・農民とともに労働することによって、勤労人民にたいする親近感をふかめ、実際に人民に奉仕する思想を身につけることにある。

 一般的なやり方としては、教学計画にもとづいて、教師と学生がともに工場、農場または人民公社におもむき、集団的な生産労働に従事し、現場で、または学校に帰ってのち、体得したものを討論・分析し、さらに理論にまで高める。授業の方法としては、教師が講義し学生が聞くというつめこみ式を廃止して、啓発式の勉強方法に改め、学生の独立思考の積極性を十分に発揮させる。さらに、授業のまえに講義のプリントをくばり、学生も教壇に立って自分の見解をのぺることができ、教師と学生がいっしょに討論し、不十分な点を補いあう。教師と学生とは、革命的、民主的、団結した同志の関係にある。

 ここ数年らい、毛主席の「教材は徹底的に改革しなければならない」という指示にしたがって、各大学・専門学校は、すでに一万あまりの新しい教材を編さんした。各省、直轄市、自治区でも、中、小学校の新しい教材を大量に編さんした。新しい教材は、毛主席の教育革命の思想と路線を具体的にあらわしており、プロレタリア階級の政治に奉仕し、社会主義革命と社会主義建設に奉仕し、プロレタリア階級の革命事業の後継者の養成に奉仕する思想を先行させている。

 ふるい試験制度は、敵に対処するようなやり方で学生の不意を打ったり、妙な、ひねくれた問題をだして学生をこまらせた。いま、各級の学校では、一般に、問題をあらかじめ公表しておき、書物を見たり、互いに研究したうして問題を解く試験方法がとられている。こうしたやり方のすぐれた点は、学生の、問題を分析し、解決する能力を高め、それを検査することができるところにある。

学生募集制度の改革は、おもに大学ですすめられている。大学は、普通、その年の高級中学校卒業生のなかから学生を募集するのではなく、二年以上の実践的経験をもつ、労働者、農民、兵士のなかから、すぐれた青年を選抜する。それには、所属部門の大衆の推選と指導部の批准が必要である。豊富な実践の経験をもつ古参労働者、貧農・下層中震、革命的幹部にたいしては、年齢や文化程度の制限がゆるやかである。ごうして、ふるい学校の、「知育第一」の標準によって、勤労人民およびその子女を排斥する不合理な現象が根本的に改められた。

 プロレタリア文化大革命のなかで、プロレタリア階級が上部構造の政治舞台に登場し、労働者宣伝隊が、学校労委員会の統一的指導のもとに政治指導の役割を大いに発揮した。そのために、学校内の政治思想教育は強化され、ブルジョア階級の知識人による学校支配の状況は根本的に改められた。農村では、貧農・下層中農が学校を管理している。かれらは、闘争と生産の必要にもとづき、実際と結びつけて広はんな革命的教師や学生とともに、毛主席の教育革命に関する一連の指示をまじめに実行してきたので、教育革命にすばらしい情勢があらわれた。多くの労働者、農民、兵士が教壇に立つようになり、従来の教師もプロレタリア文化大革命のなかできたえられて、その精神面に大きな変化がおこり、革命のために新たな貢献をしている人が少なくない。

 教育革命は、その力強い生命力をあますところなく発揮し、いちじるしい成果をおさめている。文化大革命のなかで募集した、第一期労・農・兵出身の大学生は、いま、あいついで巣立っている。かれらは思想的に自覚が高いばかりでなく、業務能力もふるい大学卒業生をはるかにしのいでいる。清華大学第一期の労・農・兵出身の大学生は、全国の十いくつかの省、直轄市の数百の工場や鉱山と連係をたもって、卒業実践(卒業前にテーマをもって工場などにおもむき、それまでに学んだものを実践を通じてまとめる)をこころみた。展開された三六○余の卒業実践項目のうち、三分の一が国内の先進的水準に達し、八○パーセントがすでに生産に用いられている。

 今日では、中学生が卒業してすぐ大学に進学することはない。ある者は労働者に、ある者は兵士になり、大部分の者が農民になって、労働者、農民との結合の道を歩んでいる。文化大革命いらい、すでに八○○万の知識青年が農村の広びろとした天地におもむいて、中国の社会主義的自覚をもち、教養のある、第一代目の新しい農民となり、社会主義新農村の建設に大きな貢献をしている。かれらの革命的行動は、搾取階級の農民を軽視し、労働を軽蔑する、何千年らいのふるい思想、ぶるい習慣を大きな力でおし流し、工業と農業、都市と農村、頭脳労働と肉体労働の差異を縮めるうえでも、深遠な意義をもっている。

 中国の教育革命は、すでに大きな成果をおさめたが、まだテストの段階にある。教育革命の目的は、修正主義に反対し、修正主義を防止し、いく百万というプロレタリア階級の革命事業の後継者を養成し、社会主義革命と社会主義建設のスピードを速め、社会主義中国の山河がとこしえに変色しないよう保証することである。目下全中国で展開されている批林批孔運動にうながされて、中国の教育革命はいっそう深くすすめられている。われわれの教育革命は、かならずさらに大きな新しい勝利をかちとるであろう。


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