米ソの核独占が核徹底廃棄に通ず

周恩来


 みなさんの水爆実験に対する祝賀に感謝する。日本は核兵器の反面を提供している。初めての原爆、水爆の被害国はいずれも日本であった。われわれは核兵器をなくすためには核兵器をみずから掌握しなければならないと考えている。われわれは、みなさんと同じく核兵器の全面禁止と徹底的廃棄を要求する。この実現は、短期間にできるものではない。いま、いくつかの大国が核兵器を独占しようとしている。かれらは一九六三年に部分核停止条約をつくり、今年は、一歩進んで核拡散防止条約つくろうとしている。いくつかの強国、とくに米ソは、核兵器を独占し、核恐かつ政策をおしすすめようとたくらんでいる。こうなると世界の人民が被害を受け、戦争の危機さえ生まれる。

 そこでわれわれは、世界の多くの国は核兵器を製造する能力をもたぬでも、核兵器を掌握することが、全面的禁止と徹底的廃棄につうじると考える。

 日本の反動政府はわれわれが実験するたびに声明を出して反対しているが、日本の友人たちは祝賀してくれる。これは鮮明な対照である。皆さんが爆竹を鳴らして祝ったことは、みなさんが真の友人であることを物語っている。われわれは、六回目の実験で原爆より水爆へと飛躍した。これは、時間的にベイソ英の速度を上まっただけでなく、実験回数からいっても、必要な制限ある回数しかやっていない。ベイソは何回も難解も大気圏内で実験をくりかえしている。それは、技術的に自信がない表われであるばかりではなく、世界の人民をおびやかすためである。われわれの経験からみれば、必要な回数だけ実験すれば段階的飛躍は可能である。

 われわれは、いつ、いかなる状況下でも、けっして最初に核兵器を最初に使用することはない。この…、みなさんはわれわれを十分信頼して結構である。核兵器を持つことによって、われわれは発言力を持ち、米ソの核独占を封じることができる。しかし、最大の、もっとも力強い発言権は、武器でなく、人間であり、核恐かつをすすめるアメリカ帝国主義、ソ連現代修正主義に反対する全世界人民の声である。

 今回の実験をめぐる反対の声はまえとくらべてそれほど強くなくなってきたといえる。これは人心のおもむくところであり、中国の立場を理解する人が多くなってきたといえよう。

 みなさんからも、十分説明していただきたい。

『毛沢東思想研究』(1967/09)

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