毛沢東選集 第一巻
北京 外文出版社
(1968年 初版を電子化)
本選集の出版について
本題集には、中国革命の各時糊における毛沢東同志の重要な著作がおさめられている。数年前、各地方ではいくつかのちがった版の『毛沢東選集』を出版したか、いずれも著者の検閲をうけていず、体裁もかなりまちまちで、字句にもあやまりがあり、さらに一部の重要な著作もおさめられていなかった。現在のこの選集は、中国共産党成立ののち経過したそれぞれの歴史的時期にしたがい、また、著作の年月順にしたがって編集されたものである。この選集には、各地方でこれまでに出版された選集にはふくまれていなかった重要著作をできるだけあつめた。この選集におさめた著作は、すべて著者の校閲をへており、そのうち、一部のところには著者が字句のうえで多少の修正をくわえ、また、いくつかの文章については内容上多少の補足と改正をくわえている。
つぎに、出版実務上のいくつかの点についてのべる。
第一に、こんど出版されるこの選集は、まだ完全なものとはいえない。国民党反動派が革命文献をいん滅したために、また長いあいだの戦争のなかで革命文献が散逸したために、毛沢東同志の全著作、とくに毛沢東同志が書いた多くの書簡や電報(これらは毛沢東同志の著作のなかで大きな部分をしめている)は、いまでもまださがしだせないでいる。
第二に、これまでずいぶん読まれた一部の著作、たとえば『農村調査』は、著者の意見にしたがって、ここにはおさめていないし、また、『経済問題と財政問題』も、著者の意見にしたがって、そのなかの第一章(すなわち「過去の活動についての基本的総括」)をおさめただけである。
第三に、この選集には多少の注釈をくわえた。その一部分は解題的なもので、本文の標題のあとにおいた。他の部分は、政治的性質のものと技術的性質のもので、これは本文の末尾においた。
第四に、この選集には二種類の装丁本がある。その一つは、各時期の著作を合冊にした一巻本であり、他は四巻本である。四巻本の第一巻には第一次国内革命戦争の時期と第二次国内革命戦争の時期の著作がおさめられ、第二巻と第三巻には抗日戦争の時期の著作がおさめられ、第四巻には第三次国内革命戦争の時期の著作がおさめちれている。
中国共産党中央委員会毛沢東選集出版委員会
一九五一年八月二十五日
電子版凡例(原版の凡例相当部分を適宜変更)
一 本訳書は北京人民出版社一九六四年九月出版の『毛沢東選集』第一巻から第四巻までの完訳である。各論文の解題と注釈もこの版から訳出したものである。
一 注釈は底注と訳注にわかれ、原注は漢数字を〔 〕でかこみ(電子版は漢数字ではなく、半角数字を〔 〕で囲んでいる)、各論文の末尾においた。訳注は訳者がくわえたもので、算用数字を○(電子版では機種依存文字である@などで表現)でかこみ、原注のあとにおいた。
一 度量衡、通貨、行政区画については、一部をのぞいてすべて原文のままの単位を用い、訳注を付した。
一 読み仮名は、《 》で囲まれた範囲で示される。
一 第二水準で表現できない漢字は、基本的に[片+旁]で表現した。それ以外の表現も、適宜[ ]内で記した。
一 本電子版はMS IMEを用いて作成された。
一 傍点のある部分は斜字とし、電子版でも太字の部分は太字で示した。
一 原文では旧字体などで表現されていても、電子版で表現できないなどの理由により新字体で表現しているところがある。例えば、蒋介石は原文では旧字体だが、電子版では新字体である。
目次
第一次国内革命戦争の時期
湖南省農民運動の視察報告(一九二七年三月)
農民問題の重大性
組織せよ
土豪劣紳を打倒し、すべての権力を農会へ
「むちゃくちゃだ」と「すばらしい」
いわゆる「ゆきすぎ」の問題
いわゆる「ごろつきの運動」
革命の前衛
十四の大きなことがら
第二次国内革命戦争の時期
中国の赤色政権はなぜ存在することができるのか(一九二八年十月五日)
一 国内の政治情勢
二 中国赤色政権の発生と存在の原因
三 湖南・江西省境地区での割拠と八月の失敗
四 湖南・江西省境地区での割拠の局面が湖南、湖北、江西三省ではたす役割
五 経済問題
六 軍事根拠地の問題
井岡山の闘争(一九二八年十一月二十五日)
湖南・江西省境地区での割拠と八月の失敗
割拠地区の現勢
軍事問題
土地問題
政権の問題
党の組織問題
革命の性質の問題
割拠地区の問題
党内のあやまった思想の是正について(一九二九年十二月)
軍事一点ばりの観点について
極端な民主化について
非組織的な観点について
絶対的均等主義について
主観主義について
個人主義について
流賊的思想について
盲動主義の残りかすについて
大衆の生活に関心をよせ、活動方法に注意せよ(一九三四年一月二十七日)
日本帝国主義に反対する戦術について(一九三五年十二月二十七日)
当面の政治情勢の特徴
民族統一戦線
人民共和国
国際的援助
中国革命戦争の戦略問題(一九三六年十二月)
第一章 戦争をいかに研究するか
第一節 戦争の法則は発展するものである
第二節 戦争の目的は戦争を消滅することにある
第三節 戦略問題とは戦争の全局についての法則を研究するものである
第四節 重要な問題はよく学ぶことにある
第二章 中国共産党と中国革命戦争
第三章 中国革命戦争の特徴
第一節 この問題の重要性
第二節 中国革命戦争の特徴はなにか
第三節 ここかちわれわれの戦略戦術はうまれる
第四章 「包囲討伐」と反「包囲討伐」
――中国国内戦争の主要な形態
第五章 戦略的防御
第一節 積極的防御と消極的防御
第二節 反「包囲討伐」の準備
第三節 戦略的退却
第四節 戦略的反攻
第五節 反攻開始の問題
第六節 兵力集中の問題
第七節 運動戦
第八節 速決戦
第九節 殲滅戦
抗日の時期における中国共産党の任務(一九三七年五月三日)
民族的矛盾および国内的矛盾の当面の発展段階
民主と自由のためのたたかい
われわれの指導責務
何百何千万の大衆を抗日民族統一戦線へ参加させるためにたたかおう(一九三七年五月七日)
平和の問題
民主の問題
革命の前途の問題
幹部の問題
党内民主の問題
大会の団結と全党の団結
何百何千万の大衆を抗日民族統一戦線へ参加させるためにたたかおう
矛盾論(一九三七年八月)
一 二つの世界観
二 矛盾の普遍性
三 矛盾の特殊性
四 主要な矛盾と矛盾の主要な側面
五 矛盾の諸側面の同一性と闘争性
六 矛盾における敵対の地位
七 結論
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