7. 国際共産主義運動を攪乱する毛沢東一派


  毛沢東一派は、「文化大革命」によって中国国内に毛沢東一派の専制支配をおこなおうとしているだけでなく、国際的にも毛沢東一派のまちがった主張をおしつけ、国際共産主義運動を毛沢東一派の専制支配のもとにおこうとしています。

 その1つは、毛沢東一派が「反米反ソの統一戦線」を主張していることです。

 中国共産党指導部は数年前まで、現代修正主義のあやまりを批判していた時期でも、社会主義諸国をふくむ反帝民主勢力の統一戦線を主張していました。ところが、1965年秋ごろから毛沢東一派は、ソ連は資本主義国になってしまったし、アメリカ帝国主義の共犯者になりさがってしまったから、統一戦線にふくめるべきではないと主張するようになりました。

 ソ連共産党は、国際共産主義運動に席をしめていますし、ソ連人民は社会主義陣営の一員です。

 今日アメリカ帝国主義がベトナム侵略をますます凶暴に拡大しているときにあたって、ソ連をもふくめてすべての反帝民主勢力を結集してたたかうことは非常に重要になっています。


正式に招待した日本共産党代表の追放をさけぶ「紅衛兵」のスローガン

 このような重要な時期に毛沢東一派が、「反米反ソの統一戦線」を主張し、世界人民にこれをおしつけようとすることは、反帝民主勢力の団結を破壊し、アメリカ帝国主義をよろこばせるだけです。

 こうして、今日、毛沢東一派は、事実上、ベトナム人民を支援するために全世界の民主勢力が団結してたたかうことを妨害しているのです。

 アメリカ帝国主義と全戦線にわたって毅然としてたたかわない修正主義的な潮流だけではなく、すべての反帝民主勢力の団結をさまたげている極左的セクト主義の路線もまた、ベトナム人民の闘争を客観的には妨害しているのです。

 第2に、毛沢東一派は、中国革命の特殊な経験である「人民戦争方式」を絶対化し、各国の革命運動の条件がどうであろうとおかまいなく、「人民戦争方式」をとることを強要しています。

 革命をどのようにしておこなうかということは、それぞれの国の具体的な条件に応じて、自国の共産党と人民がきめるべきことてす。毛沢東一派は、これほど明らかな原則をまったく無視して、「人民戦争方式」をおしつけて極左冒険主義をけしかけています。

 これはあきらかに、その国の大衆運動を失敗にみちびき、革命勢力に打撃をあたえるものです。このような極左日和見主義の路線をとりいれないことを理由に、日本共産党を「修正主義」だとか「階級投降」政策だなどと非難することは「北京」からの「指令」を絶対化し、毛沢東一派を国際共産主義運動の「指導者」にしようとするくわだてをしめすものです。

 第3に、毛沢東一派は、ソ連などいくつかの社会主義国がすでに資本主義国にかわってしまったと断定して、社会主義国の共産党と国家を転覆するようよびかけるまてにいたっています。

 ソ連が資本主義の国になってしまって、アメリカ帝国主義と同じように侵略勢力になったなどと主張し、その転覆をよびかける毛沢東一派の議論は、重大なあやまりであるだけでなく、ソ連をはじめ社会主義国の転覆をねらうアメリカ帝国主義に手をかすのも同然のことであり、社会主義陣営を解体にみちびくものです。

 さらに毛沢東一派は、アメリカの鼻先で毅然として社会主義を守り、たたかっているキューバの指導者を「修正主義」とののしり、アメリカ帝国主義のアジア侵略と一貫して断固たたかってきた朝鮮労働党も、「修正主義」よばわりしています。このような毛沢東一派の路線を、真の反帝ということはできません。

 第4に、毛沢東一派は、社会主義陣営の解休をおしすすめる攪乱活動をおこなうと同時に「今日は大変動、大分化、大再編の時代である」などという分裂主義のスローガンをかかげ、毛沢東一派のあやまった主張に賛同しない共産党、労働者党を「落伍者」ときめつけ、そのような共産党は「打倒」し「あたらしいマルクス・レーニン主義の党」をつくるように主張して、もっとも有害な分裂、破壊活動をおしすすめています。

 このように毛沢東一派の主張を、「最高峰」として絶対化し、国際共産主義運動におしつけようとすることは、毛沢東一派の大国主義的路線をろこつにしめしたものてあって、外国のマルクス・レーニン主義党と革命運動に破壊的な打撃をくわえ、帝国主義者と反動勢力をよろこばせる、まったく反階級的なかく乱者に変質したことをしめすものです。

 さきにのべた共産党と日本の民主勢力にたいする干渉と攻撃の破壊活動は、この毛沢東一派の分裂主義を典型的にしめしたものです。


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