3.「連合赤軍」との仲――共通の旗は「毛沢東思想」


奇妙な弁解ビラをまく

 山口県教組といえば、福田一派が組合執行部を長年にぎってきたところですが、二月二十六日の組合役員選の前日、福田一派の森脇保、守田茂子、秋田秀穂らは連名で奇妙なビラをあわただしくまきました。

 このビラは、「『連合赤軍』のように、大衆を人質にとり、革命ごっこで人民大衆から反する『極左』主義は排撃されねばなりません」とのべています。

 福田一派があわててこのような弁解ビラをまいたのは、もちろん、「連合赤軍」が毛沢東盲従の暴力集団で、群馬県妙義山のほら穴から鉄パィプや黒色火薬にまじって、『毛沢東選集』や『毛沢東語録』などがゾロゾロでてきたことが一般新聞などでも報道され、とくに「赤旗」が毛沢東盲従集団の蛮行を徹底的に糾弾したからです。しかし、ビラをみた良識ある人たちは、失笑しました。国民的糾弾の的となっている「連合赤軍」は、これまで福田一派が紙の上で叫びたてていた「人民戦争」を、実際にやってみせているだけだからです。

「すばらしいこと」と賞賛

 事実は頑固で、ごまかしようはありません。

 人質やリンチ虐殺で国民から糾弾された「連合赤軍」などという一味は、「京浜安保共闘」と旧「赤軍派」とが「毛沢東思想」を共同の旗印として野合した反共暴力集団です。かれらじしん「毛沢東が提起した持久戦戦略と・その陣型、及ぴ遊撃戦争の戦略間題の教訓をもって武装されたプロレタリア軍隊」と名のっています。

 福田一派の方も、「毛沢東思想」にみちびかれて、「人民戦争」「鉄砲から権力が生まれる」という「普遍的真理」を実行するといい、「日本における人民戦争の具体的形態を、実践活動のなかで系続的に追求」(『革命戦士』四号)すると公言していました。だから、福田一派が中国側の言動にしたがって「京浜安保共闘」や「赤軍派」などがあちこちであばれまわっていたころから、ときには、多少のちがいをいいたてながら、おおっぴらに暴力集団をほめそやしていたのも当然です。

 中国の周恩来自身が、たとえば一昨年、「赤軍派」が乗客を人質にして「よど号」を乗っとったとき、「ゆきすぎた行動」がなけれぱ「革命などどうしてできようか」として「すばらしいこと」(一九七○年四月十五日、「友好貿易七団体代表への談話」)とこれを称賛していました。

 福田一派も、「学生大衆(トロッキスト暴力集団のこと)は……自分の大学を破壊するまでたたかおうと、高らかに宣言している。これはりっぱなことである」(『革命戦士』二十三号)とか、「『へルメットと棍棒』そして機動隊との激突は、権力への憎しみ、人民の怒りの表現」(同前十九号)とかいって、トロツキスト暴力集団の行為をほめちぎってきたのです。

ボーズだけの「極左批判」

 ところが、最近、かれらの「人民戦争」論が内外ともにゆきづまり、福田一派とトロツキスト暴力集団の孤立化がいよいよあきらかになってきました。このため中国側も、やや手口をかえ、「極左批判」のポーズをとり、「人民戦争」論おしつけの声をすこし低めざるをえなくなってきました。たとえば、周恩来はトロツキストと一線を画するようないい方をしながらも、けっきょく「トロツキスト」うんぬんは「あまり問題ではない」(昨年三月十三日、関西学生訪中団に)などといってトロツキストを弁護しています。

 そうした態度にならって福田一派も、一方では「トロッキズム」や「極左主義」を批判するようなふりをつよめ、他方ではトロツキストを礼賛し、三里塚などで共闘するという二面的な手口をとっています。福田一派がこんどの「連合赤軍」事件を「批判」するかのような格好をしているのは、まったく国民をばかにしたものです。


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